北海道の政治・経済・文化の中心、札幌。
先史時代以降、アイヌ文化、明治開拓と、さまざまな文化を受け入れ発展を遂げたこの街には、常に新しいものを受け入れ、
進化する力強さと包容力のある街ととらえ、私たちはその姿勢を「フュージョン」と表現しました。
すでにあるもの同士が出会い、融合し、今までにない、全く新しいものが生まれる場所。
美しくも厳しい自然環境の中で生かされていることを常に意識し自然と共存するこの街だからこその、
さまざまなフュージョンをアートワークやサインを通して表現しています。
Our Gallery
札幌地下街「ポールタウン」から直接つながるTHE KNOT SAPPORO。
その地下入口からフロント2Fをつなぐ階段には「地球の誕生から生命の息吹」をテーマに4つの作品を展示しています。
小助川 裕康氏/Hiroyasu KOSUKEGAWA
タイトル:カルデラ
設置位置:地下1F階段
制作年:2020年(THE KNOT SAPPOROのための新作)
https://hiroyasukosukegawa.jp/
北海道建築には欠かせない札幌軟石の誕生の歴史に遡る作品。火山活動によりできる凹地を意味するカルデラ。その名前を持つこの作品は、約4万年前の噴火により表出したカルデラ湖であり、札幌軟石の噴出物の源である支笏湖の周囲上空視野を、軟石の彫刻で現わしました。まるで大地(レンガ=土)に根を張る切株のように、または、湖の全体を象ったように、もしくは隕石落下の跡にも見えるこの作品。人間によって切り出された線は、どこか札幌市外の碁盤の目のようでもあります。見る人それぞれの感性によって見え方は様々。むき出しの軟石素材から強いインパクトを与えるこの作品と同素材を使用した2FホテルフロントやレストランLES BOISのバーカウンターの石などと比較してみるのも楽しみ方の一つです。
野田 肇介氏/Keisuke NODA
タイトル:万物を育む土の生命力
設置位置:地下1F階段
制作年:2020年秋
http://www.nodasakan.com/
THE KNOT SAPPOROに誕生したこの作品には、素材の美と力を作者の美意識に変え、人間の意図性やテクニックをあまり出さずに素材の力と共に一緒に創りだす、万物を育む土の生命力を既存の江別レンガとコラボする形で表現していきます。
孫田 敏氏/Satoshi SONDA
タイトル:札幌の身近な植物-巡る季節のひとコマで
設置位置:1F階段
制作年:2020年秋
http://scanbotanica00.sblo.jp/
北海道の森に生育する植物を素材とし、直接スキャナ上に植物を載せて作家独自の視点で写し撮る手法を用いTHE KNOT SAPPOROのために作品化していただきました。両作品とも北海道内の原生林や深い森ではなくTHE KNOTのある札幌市街に隣り合う森=裏山で採取。手に届く近さにある植物たちによるアートワークのリアリティ感が放つ神秘、感度と驚愕。繊細な美しさと形態の面白さ。人間の日常視点では気づかずにいた何かを映し出した作品
国松 希根太氏/Kineta KUNIMATSU
タイトル:HORIZON (ホライゾン)
設置位置:1F~2F 階段
制作年:2020年 (THE KNOT SAPPOROのための新作)
https://kinetakunimatsu.com/
2009年からHORIZONシリーズを描き続ける。地平線、水平線どちらの意味も含むHORIZON。北海道の白老町に構えるスタジオ近くの海岸線で撮影した写真がインスピレーションの源となった。THE KNOT SAPPOROの階段に設置されたのは3枚組みの新作。2Fのフロアに設置され、見上げることも正面から向かいあうこともでき、光の加減で印象が大きく変わる。さまざまな角度から、違った時間、季節でこの作品と出会ってほしい。あるときは雨模様の海に見えたり、またあるときは強い日差しと渇いた大地に見えたりするかもしれない。「イメージを限定するのではなく、観る人が、過去に見ていた光景や記憶みたいなものを重ね合わせられる作品になればと思っています」(国松氏)自身の作品でも初となる三分割の全長3mの大作は、2Fに到着するその瞬間の旅の始まりの期待感を最大限に演出しています。
館内・客室アートワーク
「THE KNOT SAPPORO」のロゴ文字を有機的に変化させたテキスタイルデザインが館内・室内でご覧いただけます。
1Fエレベーターホールには、THE KNOT SAPPOROの文字を分解し再融合(Fusion)させたシンボル的存在のアートを設置しました。
一部の客室ではタイポグラフィー作品をお楽しみいただけます。「KNOT」や「SAPPORO」のアルファベットの一部を切り取りインテリアデザインに合わせて形状を変えています。