新宿に50 年以上続く、自家焙煎のコーヒーが香る喫茶店

Jul 28, 2018

新宿に50 年以上続く、自家焙煎のコーヒーが香る喫茶店

INTERVIEW

但馬屋珈琲店
オーナー 倉田雄一さん


私は歌舞伎町の生まれで小学4年生まで新宿で育ちました。その後、歌舞伎町が風俗街へと変わってからは中野の方に住んでいます。西新宿はやっぱりビジネス街というイメージが強いですね。ホテルのある中央公園の近くは昔は浄水場があったり、新宿十二社温泉という温泉もあったんですよ。でも今では高層ビルが多く建ってしまって移転してしまったりでなくなってしまったところが多いです。
 このお店は元々婦人洋品店だったのですが、小田急デパートができて太刀打ちができなくなってしまったので、昭和39年に純喫茶として再スタートしました。最初のうちは珍しくてお客さんも多かったのですが、だんだんと同じような形態のお店も増えてきて、昭和62年に自家焙煎を始めたんです。今では新宿に4店舗、吉祥寺に1店舗の合わせて5店舗を経営していて、コーヒー豆やドリップバックのオンライン販売や豆の卸もしています。
 新宿は雑多な街で変化も激しいですが、商店街のつながりなど地域とのつながりも強いんです。名物のどら焼きは近くの時屋さん(*1)のどら焼きに特別に但馬屋の焼印を押してもらって販売しています。こだわりのコーヒーによく合うんです。9月には新宿十二社熊野神社例大祭もあってその準備もしています。
 新宿の良いところは気取らない、敷居が高くないところですね。うちもふらっと入れるような空間づくりを意識しています。コーヒーを入れるカップは一つひとつ違って、お客さんの雰囲気にあったカップを選んでコーヒーを提供しているんです。携帯電話やPCなどから離れて思い思いのゆっくりとした時間を過ごしてもらいたいです。私は骨董がとても好きで、お店の内装や装飾物、メニューにもこだわっています。常連のお客さんが多いので、飽きないように四季に合わせて店内の絵やディスプレイも変えているんです。季節ごとに変わる店内で落ち着いた時間を楽しんでくださいね。

*1:ドラえもんのどら焼きのモデルとなったお店