SAPPORO Magazine -Issue 01-6セコマのあゆみ
Jan 12, 2021

SECOMA
北海道の隅々に安心の美味しさを届けるライフラインストア
Text by Hiroe Morihiro
世界を見ながら、足元に深く根を下ろす
北海道には、地元っ子が親しみを込めて「セコマ」と呼ぶコンビニエンスストアがある。店頭には北海道の豊かな海と大地の恵みを生かしたプライベートブランド、店舗併設の本格的なキッチンで仕立てたあたたかなお弁当やお惣菜が並んでいる。
1971年、札幌市で産声を上げたセイコーマートは、国内で現存する最も古いコンビニエンスストアの一つ。現在、最北の離島、利尻・礼文をはじめ、全道174市町村に1100店舗を展開、北海道の人口カバー率99.8%にも及ぶという。「セコマ」という愛称は、2016年に正式な社名になった。この年からセコマは、日本版顧客満足度指数(サービス産業生産性協議会)で4年連続、コンビニ部門で連続1位を獲得。この評価もまた、道民に愛され、日々の暮らしに密着している証である。
「セコマは地域密着型企業といわれていますが、創業当時から目線は常に世界にも向いています。1976年に全米コンビニエンスストア協会(NACS)に加盟し、5年後にはニューヨークのデザイン会社に店舗デザインを依頼。1987年にはワインの自社輸入を開始したのを皮切りに、20か国以上から世界基準の品質の高い商品を直輸入し、北海道の店舗に提供しているんです」と、佐々木威知広報部長は胸を張る。
その一方で、セコマは原材料の生産から製造、物流、小売りまでを一貫して自社で行うことで、道内の隅々にまで安全な商品を安定的に供給できる体制を整えてきた。全道がブラックアウトに見舞われた2018年の北海道胆振東部地震の際には非常用電源キットを活用し、店舗で電源を供給。さらに自社の物流網を生かし、日常品を供給し続けた。
「セイコーマートには、1日60万人が買い物に訪れます。ですから、どんな時も地域のお客さまの暮らしを支えるライフライン的な存在であり続けたい。サプライチェーンのポテンシャルと機能を最大限に生かして、いつも地域のお客さまのためにどんなおもてなしができるのかを私たちは考え続けています」
また、店舗のネットワークづくりで培った地域とのつながりを生かし、セコマは1次・2次産業との協働にも積極的に取り組んできた。
「産地に近い場所で新鮮なうちに加工し、北海道ならではの美味しさをそのまま店舗に届けたい」。その想いを実現するため、担当者たちは20年以上前からコツコツと地域に種をまき、若木を植えるように、ブランド商品を大切に育ててきた。2000年から酪農のまち、豊富町のグループ工場にて製造している「北海道牛乳」などの牛乳類は、セコマの看板商品ともいえる存在だ。その品質が高く評価され、年間で店舗供給量を上回る1900万本が道外の外部スーパー等へも出荷されている。
その自慢の乳質を生かした自社開発のヨーグルトやアイスクリーム、スイーツも誕生。3年前には、セコマの期間限定のソフトに厚真町特産の「ハスカップ」も採用。厚真町の名前と共に北海道の夏の味覚として全国に知られるようになった。豊富に根を下ろした若木は大きく枝を広げ、次々と美味しい花を咲かせている。
「地域の良いものを発掘し、商品化することで道内外に産地名が認知され、やがて地域のブランディングにもつながっていく。そうした積み重ねから、セコマと地域との持続可能な関係性も育まれていくのだと考えています」
今年、旅人が集う狸小路地区に開業するTHE KNOT SAPPORO1階にセコマの新店舗がオープンする。地域に寄り添いながら育ててきた美味しい花々は、旅人に新たな北海道の魅力を物語ってくれることだろう。

Photo by Tsubasa Fujikura

※時期により、販売されていない場合がある。
Photo by Tsubasa Fujikura